古来の宮中文化に触れる
七夕の節句 / 衣紋道高倉流東京道場

衣紋道高倉流東京道場(荘司礼子会頭 / 国際文化理容美容専門学校 渋谷校・国分寺校校長)は、7月4日(水)、東京都渋谷区の国際文化学園内の東京道場にて、「七夕の節句」を開催した。節句の会は季節ごとに催されており、普段見聞きすることができない古来の宮中文化に触れられるとあって、参加者たちの学びの場となっている。

会場には、古代中国の故事を由来とし平安より宮中で行われていた「乞巧奠」が再現され、参加者を出迎えた。恒例となっている装束の展示では、まず女性の装束である細長が披露された。高倉流・宗会頭 仙石宗久氏による解説では、今回の細長のかさねの色目である杜若の重や、お方が手にしている扇に関する説明などが行われた。続いては、五位武官の夏の束帯のお服上げが実演された。参加者は、お服上げの技術や文化的背景についての仙石宗会頭の豊富な知識に裏付けられた解説を書き留めるなど、熱心に耳を傾けていた。

その後、装束の展示の際に触れた扇について、より詳細な解説が仙石宗会頭よりなされた。日本に発した扇が中国、朝鮮、ヨーロッパへ伝播し、各国の独自の様式が施されて再び日本に逆輸入されてきた経緯などが語られた。江戸時代の檜扇や中世ヨーロッパの貴重な扇、さらには名所香の盤も展示されており、参加者はその精巧なつくりやきらびやかさに心を奪われていた。