
日本美容専門学校(網倉糸乃理事長/阿部博人校長)は10月30日創立70周年を迎えるにあたり、その前日29日に70周年記念イベントを東京・新宿の京王プラザホテルにて開催し、在校生をはじめ、多くの卒業生や来賓が出席した。
1954年に美容師による美容師のための学校「日本美容師会付属日本美容専門学校」としてスタートした同校は、1976年に文部省管轄の専修学校として認可され、翌年に二年生の専門科を設置。創立30周年を迎えた頃には、本科の卒業生が1万人を超えた。
さらに今年は、現場で役立つ実践力を育み一人一人の夢に寄り添える「クリエイティブヘアデザイナーコース」と「クリエイティブヘア メイクアップコース」が新設され、時代に合わせた教育が進められ、これまでに4万人以上の卒業生が国内外の多様なフィールドで活躍している。
網倉理事長
まず最初に3代目となる網蔵糸乃理事長が挨拶に立った。
70年前に祖母の網倉妃葉子が美容の魅力と可能性に惹かれ、美容師の社会的地位向上のために全国を回り結成された日本美容師会。その付属校として日本美容師専門学校は産声をあげ、初代校長に慶応義塾大学教授の奥野信太郎氏を迎え、単なる技術の学校としてではなく、様々な教養を技術の上に反映させるというアカデミックな思想を持ってスタートした。「美容を通じて近代の英知を築く」という建学の精神は70年経った今日も受け継がれ、しっかりと次につないでいくことが私たち世代の使命と考え、今回のイベントも「想いを紡ぐ」というタイトルとした。私たちが未来への架け橋となり、先人たちの熱き思いを次につないでいくという決意表明の場とさせていただく、と述べた。

阿部校長
卒業生のお祝いコメント動画が流れた後、5代目校長の阿部博人校長が挨拶。
中国の古い教えでは「宇宙(世の中)は易と不易で成り立っている」と唱えている。易とは変わるもの、変わるべきもので、不易とは変わらないもの・変わってはいけないものを表す。
日美の不易とは、建学の精神「美容を通じて近代の叡智を築く」であり、「美容界の適塾たれ」という理念。易とは、70年の歴史と伝統を培ってきた美容における革新性であり新しい風。昨今は先の見通しがつきづらい不確実性の時代で、従来の考え方では限界がある。そこで求められるのがリベラル・アーツ(自由・学芸や技術)だ。日美はとらわれのない自由な発想でこれからのビューティシャン像を孝研していく、と述べた。

熊木副校長
その後、今回のメインステージとなるヘアショーが開催。
始めに、ショーのナビゲーターで、今回のヘアショーをプロデュースした熊木 徹副校長(専門科13期卒業)が挨拶。
たくさんの卒業生の中から現在最も活躍している、2018年にJHA(ジャパン ヘアドレッシング アワード)を獲得した神谷 翼氏(SCREEN/22期卒業)と、BHA(ブリティッシュ ヘアドレッシング アワード)で、過去最多の4度受賞しているAKIN KONIZI(アキン コニジ/hob academy)氏による、クリエイティブな世界を見せていただこうと企画。なお、日美では2017年にロンドンからKONIZI氏を招聘して以来、友好関係を結んでおり、学生による「hobカットコンテスト」も開催している。
SCREENの神谷 翼氏のステージ

hob academy の AkIN KONIZI氏(左上)と JAKE UNGER氏(右上)のステージ
別フロアでは、これまでの日美の歴史がひと目でわかるパネル展示やグッズ販売も行われた
