「美容室」の倒産、2024年は過去最多 「人手不足」「コスト高」「同業者の競争激化」が影響
2024年度「美容室」倒産発生状況レポート/帝国データバンク

帝国データバンクは、3月4日、2024年度「美容室」倒産発生状況レポートを発表した。

調査は、集計期間:2000年4月~2025年2月28日まで

集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産

「2024年度に発生した「美容室」の倒産は2月までに197件発生し、過去最多を大幅に更新する見込みとなった。

美容室の経営は現在、「人手不足」「コスト増」「競争激化」という三重苦に直面している。特に美容資材の値上げや人件費の増加が負担となり、価格転嫁が難しい状況だ。

また、新規開業やフリーランス美容師の増加により競争が激しく、家計の節約志向も相まって高単価メニューの売上が厳しくなっている。都市部では割引クーポンの活用による価格競争も進み、全国平均のカット代は5年間で4%しか上昇せず、経営は厳しさを増している。2024年度は約3割の美容室が赤字で、業績悪化が6割に達した。

この状況を打開するため、眉毛サロンやヘッドスパなど新サービスの導入、プレミアムサービスの提供、デジタル技術を活用したマーケティングなど、新たな戦略が求められている。