クラス別に課題スタイルに挑戦
令和6年度修了コンテスト/HSA協会

HSA協会(児玉利明会長)は3月10日午前11時から、都内豊島区の(株)きくや美粧堂池袋スタジオで令和6年度本部講習修了コンテストを開催した。時代が求める情報や知識、技術を1年間にわたって各クラス(1~6年目)ごとに学んできた約20名の受講生が、ウィッグを使ってそれぞれの課題に挑戦した。

コンテストは2回戦で行われ、1回戦ではグレード1、2(1~2年目)の受講生たちがカット30分、セット20分の競技タイム内でグレード1は刈り上げショートスタイル、グレード2はフリースタイルにそれぞれチャレンジした。いっぽう2回戦ではグレード3~6の生徒たちがフリースタイルを仕上げた。各回戦とも競技終了後は指導講師陣が修了生1人1人の作品についてアドバイスを行い、真剣な表情で聞き入る姿が見られた。作品の出来についてある講師は「グレード1、2のように経験年数が少ないクラスの場合、個々人の勉強方法やサロンの学習環境など講習以外のところで差が出ることが多く、1年目の生徒が2年生以上の結果を出すことも珍しくない」と語った。

コンテスト終了後は会場をグレースバリ池袋本店に移して修了式および修了パーティーが開かれた。挨拶した児玉利明会長は講師陣の労をねぎらったあと受講生たちに「我々の職業は鋏を置いた時が引退なのでそれまではずっと勉強が続く。サロンでお客様の前に立つ以上、常に新しい技術を学んで昨日の自分よりも上手くなっていることが求められる。HSAのスクールはそのニーズに応えられる有意義な場だと自負している。コロナ禍以降リモートによるイベントや勉強会が充実してきているのは素晴らしいが、理美容師は直接お客様の髪や肌に触れることが仕事と考えるとやはりリアルなコミュニケーションは不可欠だ。このスクールで講師陣やお友達と重ねてきたリアルコミュニケーションは、これからのサロンワークで必ず役立つはず。今日で一応区切りとなるがスクールはまた4月から始まるので、更なる高みを目指して上のクラスで成長していって下さい」と語った。

続く来賓祝辞では森信行(株)ウェルストン社長、加藤雄士滝川(株)理美容事業本部付が「業界は厳しいが、技術力とコミュニケーション力そして人間力で勝負すれば必ずお客様からの信頼が得られ、自己の成長とサロンの繁栄が約束される。このことは多くのHSA先輩たちが証明している。これからもステップを踏みながら上を目指していって下さい(森氏)」「メーカー、問屋、ディーラーが一体となって長い歴史と伝統を誇るHSAの若手育成に協力していきたい(加藤氏)」とそれぞれ修了者を励ました。(株)きくや美粧堂の吉田智池袋支店長代理が「コンテストの低迷が続く昨今だが、今日皆さんがウィッグと真剣に向き合う姿を拝見して、やはり技術者のモチベーションアップにコンテストは欠かせないことを痛感した」と乾杯の発声を行いパーティーに移った。

競技のもよう(1回戦)

講師によるアドバイスタイム(2回戦)

挨拶する児玉利明会長

森信行氏

加藤雄士氏

吉田智氏

取材:小牧 洋