美容家 谷口愛子氏の半生をもとに美容業界の素晴らしさを描いた「美容人生は毎日が喜び」(著者:森永泰恵、発行所:株式会社シエスタ)の出版記念パーティが3月11日午後4時から、都内渋谷区のセルリアンタワー東急ホテル「ルナール」で開催された。パーティには谷口氏と親交の深い美容師や流通関係者など約80名が出席した。1937年、東京生まれの愛子女史は、米寿を迎えた今でも銀座のサロンで毎日著名人をはじめ多くのお客様を担当しているという。「半生記」では、太平洋戦争をくぐり抜けた幼き日から若干21歳で立岩(旧姓)美容室を開業したころの奮闘ぶり、谷口光正氏との出会いから結婚、更には二人三脚でサロンを盛り立てた日々や海外を含む多くのステージでの出会い、美容師歴70年を超えたいま若い美容師たちに伝えたい美容への思いなどが懐かしい写真とともに綴られている。
パーティのオープニングでは、谷口氏が二人のモデルを使ってスピーディにアップスタイルを仕上げるデモンストレーションステージが披露された。年齢を微塵も感じさせないきびきびとした仕事ぶりに、美容業界を代表する美容師たちから惜しみない賞賛の拍手が贈られていた。
このあと挨拶した谷口氏は「蒲生会長から本を出したらと背中を押されたのが出版を決めたきっかけ」と明かしたうえで「出版してみて一番嬉しいことは、多くのお客様が来店するたびに『続きを読みたい』とおっしゃって下さること。そういう気持ちに日々励まされている。88歳になった今も、スタイルが仕上がった時のお客様の笑顔が私にとっては仕事や美容人生を楽しく過ごしていける秘訣だと思っている。これからもお客様からその力を頂きながら大好きな美容の仕事を続けていきたい」と謝辞を述べた。
続く乾杯の発声では(株)ガモウ代表取締役執行役員会長の蒲生茂氏が「今日の会は幹事を引き受けてくれた荘司先生の協力で実現した。いまステージを拝見してスピード感溢れる仕事ぶりや素晴らしい作品に改めて驚かされたが、何よりも凄いのは小池都知事をはじめ多くのお客様のヘアを今でも担当していること。この仕事を選んだことに喜びを感じながら美容人生を歩み続けている姿は、我々業界人にとっても大きな誇りであり励みにもなっている。ICDをはじめ世界のステージを経験している大御所だが、常に気さくで周囲を楽しくさせてくれる人柄が多くの業界人を惹きつけている」と賛辞を贈った。乾杯後の祝宴では、洗練された動きが特徴の琉球古典舞踊が古典音楽と共に披露された。
中締めの挨拶を述べた幹事の荘司礼子(学)国際文化学園理事長・校長は「愛子先生の凄さは手を見ればわかる。身内からは『そろそろ(現役を)辞めたら』と言われるかもしれないが、業界はまだまだ期待しています」と益々の健闘を祈った。
デモンストレーションする谷口愛子氏
披露されたアップスタイルの作品
謝辞を述べる谷口氏
蒲生茂氏による乾杯の発声
中締めの挨拶をする荘司礼子氏
取材:小牧 洋