神奈川県美容業生活衛生同業組合(中野利彦理事長)は8月26日、横浜市関内の横浜市技能文化会館で第43回美容技術選手権大会を開催した。同組合でも年々出場選手が減少しており、今年は第53回全日本美容技術選手権大会(10月7日に福島県で開催)に神奈川県代表選手を派遣するための選考会が去る7月8日に行われている。このため、当日は県内の美容学校学生たちによるスチューデント部門2競技のみが行われ、選考会で選ばれた美容師は競技終了後のデモンストレーションステージで作品を展示した。
正午前から行われた開会式では、はじめに久保寺有紀教育部長が「皆さんが挑戦するワインディングやオールウェーブセッティング競技は今後の国家試験で経験する大事な科目です。そのためにも今日の競技が糧になることを祈っています」と励ました。続く返還式では、昨年の同大会スチューデント競技で団体優勝したアイム湘南理容美容専門学校代表選手から優勝トロフィーが中野理事長に返還された。選手代表の小坂葵さん(アイム湘南理容美容専門学校)が「日頃のトレーニング成果を存分に発揮して正々堂々と競技します」と力強い宣誓を行い競技に移った。
正午から第1競技のスチューデントワインディングが行われ、8校から選ばれた31名が20分の競技時間で作品づくりに挑んだ。また、第2競技のスチューデントオールウェーブセッティングには5校から34名が出場してきれいなウェーブづくりに取り組んだ。
全競技終了後のデモンストレーションタイムでは、令和5年度の横浜マイスターに選ばれ先の全国大会選考会でも審査員を務めた吉永範明氏のナビゲートで、中振袖や全国大会種目のカット&ブロー、カットバトル等の作品が展示された。学生たちから寄せられた「ウィッグのメイクはどうすればいいのか」「カラーリングをきれいに仕上げるコツは」といった質問に、作品展示した後藤雅紀氏(カット&ブロー)や半田陽菜氏(カットバトル)らが丁寧に答えていた。
午後3時過ぎから行われた表彰式で挨拶した中野理事長は、学生たちに美容組合が設立された時代背景や存在意義等について説明したあと「美容の業権を守っていくためにも組合の組織強化は大事」と組合活動への理解を訴えた。続いて来賓の宮崎崇神奈川県健康医療局生活衛生課長、栗原浩一横浜市経済局市民経済労働部長、川口浩太(公財)神奈川県生活衛生営業指導センター理事長らが祝辞を述べた。最後に鳥海利江子審査委員長が「ワインディング競技は後れ毛の処理で採点に差が出た。オールウェーブ競技ではピンの方向がやや乱れたり、フィンガーウェーブのカールのスペース配分が右寄りになってしまった作品が見られた」と総評を述べ大会を終了した。
神奈川県全国大会代表選手選考会(7月8日)結果
(フリースタイルカット競技)
▼1位=丸山裕太(川崎中原)▼2位=吉田大介(横浜中央)▼3位=松﨑歩希(同)▼4位=田中理紗(同)
(カット&ブロー競技)
▼選考会合格者=後藤雅紀(平塚)
(カットバトル・オープン競技)
▼1位=半田陽菜(一般)▼2位=稲木愛珠(同)▼3位=小林花寧(同)▼4位=造田彩湖(同)▼5位=松本笑和(横浜中央)
(スチューデントワインディング競技の上位入賞者)
▼優勝=渡邊佑花(横浜ビューティーアート専門学校)▼準優勝=久保綺海(同)▼3位=堰合ゆら(アイム湘南理容美容専門学校)▼4位=沖美咲(同)▼5位=齋藤聖輝(同)▼6位=白阪世生(同)
(スチューデントオールウェーブセッティング競技の上位入賞者)
▼優勝=小坂葵(アイム湘南理容美容専門学校)▼準優勝=橋爪フィンセンシア梅子ヘルディアント(同)▼3位=久保心夏(横浜fカレッジ)▼4位=加藤渚(アイム湘南理容美容専門学校)▼5位=小林大雅(湘南ビューティーカレッジ)▼6位=遠藤美乃(国際総合ビューティーカレッジ)
▼団体優勝=アイム湘南理容美容専門学校

ワインディング競技

オールウェーブセッティング競技

作品展示で解説する後藤雅紀氏(右)とナビゲーターの吉永範明氏(左端)

表彰式で挨拶する中野利彦理事長

総評を述べる鳥海利江子審査委員長

ワインディング優勝の渡邊佑花さん(左)とオールウェーブ優勝の小坂葵さん
