業界誌、一般誌、ウェブ媒体の撮影、さらにはセミナー、ヘアショーなど、多方面で引っ張りだこの東京・原宿の『VeLO/vetica』。
撮影やショーには当然モデルさんが必要になるわけですが、これだけ多くの仕事を抱えていても常にフレッシュなモデルさんをつかまえてくるのが、こちらのサロンの特徴です。しかも、ヘアデザインも毎回かなり攻めている。一体、どうやってモデルさんを探しているのでしょうか? その極意を『vetica』ディレクターを務める高木貴雄さんにお聞きしました!
「極意と言っていいか分かりませんが、とにかく足を使ってモデルハントに出て、1人でも多く声を掛けることですね。うちは営業中に空きができたら、15分でも30分でもアシスタントを外に出させています。それから、営業開始前の9~11時がそうじの時間なのですが、その時間もモデルチームは新宿とか高田馬場とか、学生が多いエリアにハントに行きます。多い時は5人くらい外に出ていますけど、最小限の人数でもお店がちゃんと回るタイミングを見計らうなどの工夫をしています」
ちなみに、一番下のスタッフばかりがハントに出ることにならないよう、アシスタント内でも担当はちゃんと循環させているそう。どんな子に声をかけるのか、決まりごとはあるのでしょうか?
「見た目ももちろん大事なのですが、“髪の切り幅があること”が一番ですね。いろんなサロンでモデルをしている見栄えのいい子よりも、『VeLO/vetica』としてのデザインをしっかりつくれる子というのを最優先しています。あとは、各スタイリストがつくるヘアデザインの特徴や顔立ちの好みを把握して、それに合う子を探すこと。声をかけて写真を撮らせてもらったら、SNSの共有アカウントにアップして全員が確認できるようにしています」
その他にはこんな決まりごとも。
・ハント中は座ったり、無駄なおしゃべり厳禁。外でも社会人としてのマナーをしっかり守る。
・いつどこで出会うか分からないので、休日でもいい子を見つけたら声掛けできるように、名刺等は常に携帯しておく。
・威圧的な印象や不信感を与えないよう、優しく丁寧な声掛けをする。
・カット、カラーがどこまでOKか確認する。
・仕込みでサロンに来てもらった時や、撮影当日もモデルさんを飽きさせない、楽しんでもらう工夫をする(「ナイスミュージック・ナイス動画・ナイスマンガ」の3種の神器は必需品)。
・本人のOK,NGに基づき、どんなヘアスタイルに仕上がるのか、お直しが必要であれば最終的にどうなるかまで必ず説明する。
・撮影後の髪のお直しやトリートメントなど、アフターケアをしっかりやる。
何度かモデルを経験した後に、就職などを機にモデルは卒業し、そのまま普通のお客様になるパターンも非常に多いとのこと。
SNSでモデルさんを探すことも可能な時代になりましたが、『VeLO/vetica』の強固なブランド力は、デザインや技術もさることながら、スタッフさんたちが日々街に出て頑張っている“モデハン力”に支えられている部分も大きいようです。
そんな高木さんの最新作品は、『SHINBIYO』1月号(12/1発売)の「THE ORIGINAL DESIGN」で是非ご覧ください!