「行政と連携した組織強化を」と金内理事長 組合員、来賓等約500名が参加
2026年BA東京新年会/東京都美容組合

東京都美容生活衛生同業組合(通称:BA東京、金内光信理事長)は1月20日正午から、都内渋谷区のセルリアンタワー東急ホテル・セルリアンタワーボールルームで2026年BA東京新年会を開催した。新年会には組合員のほか来賓の各団体や学校、商社、議員など約500名が出席した。福島吉功、石井庸子副理事長も登壇しての年頭の挨拶で金内理事長は、高市新政権に対して「何よりもまず物価高対策に全力で取り組んでもらいたい」と前置きして、BA東京が現在抱えている諸課題や今後の組合運営に対する考えなどについて語った。

美容業界の現状については「公共料金や原材料費をはじめとする諸物価および人件費等の高騰により、美容室の経営はかつてない厳しさに直面している。生産性と利益率を高めた経営の健全化をはかることが喫緊の課題ではないか。BA東京ではこの3年間にわたって美容料金の適正化をはかるキャンペーンを行ってきたが、まだまだ目標の域には達していないのが現状だ」と報告した。金内理事長はさらに近年大きな問題として浮上しているフリーランス美容師についても言及し「働き方の多様化から発生した新しい労働形態だが、もはや小手先の対応では解決は難しい」と述べ、日経新聞MJが発表したフリーランス美容師に関するデータを紹介した。

それによると、全国に約8万人いるとされるフリーランス美容師は全美容師数約50万人の16%を占めており、今後も増え続けることが予想されるという。具体的な問題点として金内理事長は衛生上の管理面を指摘し「顧客の安心・安全をはかることがサロンの最重要課題だが、フリーランス美容師の衛生管理に関して保健所など行政はどこも管理しておらず、極めて危険な状況と言わざるを得ない。BA東京ではフリーランス美容師の身分保全を考慮しながら具体的な対応を早急にはかっていきたい」と考えを語った。

金内理事長は最後に組織強化策についても「組合と行政の連携を図るためのアンケート調査や衛生講習会等を行っているが、今年は連携をさらに強化して新規開業者の組合への加入協力をバリューアップした形で働きかけていきたい」と意欲を示した。

続く来賓祝辞では朝倉敏之タカラベルモント(株)理美容営業部関東営業部部長、滝川睦子滝川(株)会長兼社長、山野愛子ジェーン山野美容専門学校学苑長、阿部武史(株)日本政策金融公庫国民生活事業本部東京地区統括らが「弊社のサロンポスシステムによるデータによると、この2年間のサロン売り上げはほぼ横ばいだが、平均客単価は9,329円で559円(6.3%)上昇している。来店客の減少にもかかわらず売り上げが維持できているのは、価格転嫁という努力が活かされているのではないか。顧客にいかに通い続けてもらうか、ロイヤルカスタマー客にどう移行してもらうか、店販拡大のための価値あるホームケア提案をどうするか等の検討が重要(朝倉氏)」「美容サロンの繁栄なくして流通の繁栄はあり得ないので、まずサロンが適正な美容料金を得られることが最重要。人手不足で支店の閉鎖を余儀なくされるケースも増えている。人材問題に少しでも貢献するため滝川グループでは昨年7月に奨学金財団を立ち上げた。第1期の12名が美容学校を卒業するのは2028年だが、これからも1人でも多くの若者が美容師を目指せるようなバックアップをしていきたい(滝川氏)」「美容業界は世の中のすべての人々をハッピーに出来る業界。BA東京の皆さんと共に一人でも多くのお客様を年齢や性別、人種に関係なく素敵なスマイルで幸せにしていきましょう(山野氏)」「価格転嫁ができたというサロンは4%と少なかったいっぽう、付加価値をつけて料金アップを図ったりインバウンドを取り込んで売り上げを伸ばしたというサロンもかなりあった(阿部氏)」と挨拶した。

谷本穎昭(公社)日本理容美容教育センター理事長による乾杯の発声で祝宴に移った後もBA東京の顧問を務める石原宏高環境大臣や竹谷とし子公明党代表代行など多くの来賓が祝辞を述べた。このほかステージでは、令和7年度各種表彰受賞者および昨年10月に福島県で開催された全国大会の上位入賞選手らが紹介された。石井庸子副理事長による三本締めで閉会となった。

金内光信理事長

朝倉敏之氏

滝川睦子氏

山野愛子ジェーン氏

阿部武史氏

谷本穎昭氏

取材:小牧 洋