マリー・ルイズ恵子氏が逝去
訃報/マリー・ルイズ恵子

去る2026年2月19日、マリー・ルイズ恵子(マリア・テレジア伊藤恵子)氏が、帰天なさった。2月24日に通夜、25日に告別式が、カソリック麹町聖イグナチオ教会にて執り行われた。
カソリックの洗礼を受けていた氏は、神父様の信徒への言葉と、心ひとつに集った人々の清らかな聖歌の歌声に包まれて、安らかに帰天した。

マリー・ルイズ恵子氏は、1947年(昭和22年6月11日)、東京都中野区に、父・田邉輝彦、母・昭子(マリー・ルイズ昭子)の4人兄弟の次女として誕生する。祖母は、花嫁着付の美容家千葉益子氏。1954年(昭和29年)九段白百合学園小学校に入学。1970年(昭和45年)同大学を卒業と同時にマリー・ルイズ美容専門学校に入学。1974年(昭和49年)株式会社マリー・ルイズに入社。以後,法曹会館三社苑、万葉会館、青山ダイアモンドホールで,花嫁着付を担当。1975年(昭和50年)10月、伊藤勝治氏と結婚。翌年、御長男・伊藤慎悟氏が誕生する。1986年間(昭和61年)職業訓練法人全日本婚礼美容家協会(以下、全婚協)に入会。

1991年(平成3年)目黒雅叙園リニューアルにより、目黒雅叙園婚礼担当者となる。1997年(平成9年)全婚協東京ブロック長に就任。2000年(平成12年)、東京都知事より優秀技能賞。2002年(平成14年)から、2019年まで、Japan weekに全婚協より参加。日本民族伝統文化「日本の花嫁姿」を11カ国、13回にわたり披露した。2003年(平成15年)全婚協副会長に就任。2007年(平成9年)マリー・ルイズ美容専門学校理事長に就任。2024年(令和6年)厚生労働省より、「卓越した技能者」に与えられる「現代の名工」を受賞。2025年(令和7年)秋の叙勲者として「その道一筋に職務に精励した者」に授与される「黄綬褒章」を受賞した。

訃報の記事の末尾には不必要と言われることを承知で、仕事をご一緒させていただいた者の1人として、敢えて2011年10月、月刊『SHINBIYO』連載「継承婚礼花嫁」撮影時に届いた氏からのファックスの一部を転載させていただきます。日本文化の素晴らしい担い手は、慈しみ深い母でもありました。
「働く母を持った私は、母が忙しかったため、寂しい思いを感じることが多かったのですが、毎年出版される花嫁号のページをめくりながら、着物に親しむ母から、着付のこと、撮影時の楽しかったこと等の説明を聞くのは、とても楽しかったことを覚えています。同じ境遇に育った息子は、職業を持つ母親をどう見ていたのでしょうか?寂しい思いをさせていたのかもしれませんが、しっかりとDNAを受け継いでくれて、マリー・ルイズというものを理解してくれたからこそ、現在、明治記念舘神楽美容室で、スタッフと共に努力する、着物が大好きな人間になってくれたように感じております。」

気取らず、いつも明るく爽やかだった氏。母親としての御子息への優しい眼差しが感じられます。

神の元で、どうぞ安らかに…。

マリー・ルイズ恵子氏

葬儀ミサ会場となった、聖イグナチオ教会 主聖堂

SHINBIYOに掲載された作品

文責:長尾明美