若さを保つ秘訣は朝露?
重陽の節句―菊被綿― / 衣紋道高倉流東京道場

衣紋道高倉流東京道場(荘司礼子会頭 / 国際文化理容美容専門学校 渋谷校・国分寺校校長)は、9月5日(水)、季節ごとに開催している節句の会として「重陽の節句」を東京道場にて開催した。
重陽とは、雛祭や七夕など五節句の中の一つで9月9日のこと。陽数の最大数が重なっていることで「重陽」と呼ばれている。「菊被綿」が重陽の節句の年中行事で、前日の9月8日に菊の花を真綿で被い菊の香りを移しておき、翌朝に朝露に湿った真綿を顔に当てると若さを保つことができる、というもの。会場ではこの「菊被綿」が再現・展示されており、来場者は紅や黄に染められた真綿や白い真綿に覆われた菊を雅な文化に思いを馳せながら鑑賞していた。

講話では、宗会頭 仙石宗久氏が公家と武家の小袖について解説を行った。皇室ゆかりの装束である御縫御召が三点展示され、それぞれの染めや柄についての詳細な解説や、公家と武家での呼称の違いなどが語られた。また、重陽の節句にちなんだ、藤原俊成の菊を題材とした歌も紹介された。仙石宗会頭の造詣深い語りに、来場者は熱心に耳を傾けていた。

御表:紫縮緬地に桜・鳥・春の草花紋様総縫
御裏:紅平絹通し裏

御表:白綸子(繻子地繻子文綾)紫筋緂型染・秋草花鳥文様総縫
御裏:紅羽二重通し裏

白綸子(繻子地繻子文綾)宝尽くし文綾に草花文様描絵・摺匹田・刺繍・金刺繍