全国美容用品商業協同組合連合会(以下、全美商連/橋本健治理事長)は5月14日午後3時から、都内千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで第34回通常総会を開催、令和8年度事業計画並びに収支予算決定の件を含む全ての議案を承認可決した。それによると、今期から日本美容創生(株)と連携協定を締結して「美容室はまちの保健室」事業を新たな事業として実施する。同事業は女性の更年期障害を対象とした事業で、婦人科医とも連携しており、全美商連では「連合会の収益事業という位置づけと共に連合会の社会的地位向上にも寄与する事業」と位置付けている。このほか、恒例事業の「ビューティユニティフェスティバル2027」では、昨年同様10,000セットの販売を予定しているという。
議事に先立って挨拶した橋本健治理事長は「理事長に就任して1年が経過したが、各県の理事長をはじめブロック長、執行部、事務局の皆さんの協力で何とか無事に終えることが出来た」と謝意を示した後、昨年6月に大阪で開催された第10回アジアビューティエキスポについては「初の大阪開催とあって緊張して臨んだが、結果的に成功裡に終えることが出来た」と振り返った。更に「中東情勢が混沌とする中でメーカーからは欠品問題等も聞こえるなど、環境は非常に厳しさを増してきている。当連合会の組合員数もなかなか思い通りの推移になっていない」とした上で、「これまではシェア争いや価格競争の感が強かったが、もはやそういう時代ではないような気がする。共に手を携え皆さんの叡智を結集して新しいサロンの未来を築き上げていきたいので、“共創”という考えのもと、組合への提言・助言を積極的に寄せて欲しい」と訴えた。
議長に坂東信行理事、副議長に宇賀士郎理事を指名して議案審議に入った。第1号議案の令和7年度決算関係書類承認の件では、はじめに橋本理事長が令和7年度の事業経過及びその成果等について報告したのに続いて前田貴之副理事長が全国美容まつりなど各種事業の実施状況を、また小西隆雄副理事長が組合の運営組織の状況についてそれぞれ報告した。収支決算状況に関しては森田昌孝副理事長が報告し、最後に木元牧雄監事による監査報告が行われた。
続く第2号議案の令和8年度事業計画並びに収支予算決定の件では、事業方針を橋本理事長が説明したあと、販売促進、展示会、教育情報、福利厚生等の具体的な各種事業計画案については前田副理事長が、収支予算案については小西副理事長がそれぞれ報告し承認可決された。このうち展示会事業については、第11回アジアビューティエキスポを2029年6月の開催を目標に現在調整中だという。
全議案の審議終了後は、連携先の(株)USENによる連携事業の進捗状況に関する報告及び提案や、全美商連が日本美容創生(株)と連携して今期からスタートさせる新事業「美容室はまちの保健室」事業に関する説明が行われた。まちの保健室事業については同社の金山宇伴代表取締役CEOが「まちの保健室」の仕組みや美容師のヘルスリテラシーを証明する認定「更年期ヘルスケアアドバイザー」制度の内容等について詳細に説明した。
懇親会で弊社等に感謝状
午後5時からは会員、来賓など約80名が出席して懇親会が開かれた。はじめに挨拶した橋本理事長は「連合会には、メーカーの商品をただ売るだけという視点から価値を共創していくという方向に転換していく必要がある。美容師を目指す若い力がこの業界に入ってくれるためにも、我々ディーラー業界が絶対に必要という新しい価値観を作り上げていくことが重要。これからもサロンと濃密なコミュニケーションを図りながらその思いを伝えていきたい」と抱負を語った。
続く来賓祝辞では、この日の理事会で新理事長に選出されたという全日本美容業生活衛生同業組合連合会の野本義久氏が「全美連の最重要課題は組合員の増強だが、ディーラーの皆さんの協力無しには困難」と述べ全美商連の力強い応援を訴えた。また、日本パーマネントウェーブ液工業組合理事長と日本ヘアカラー工業会会長を務める田尾大介(株)アリミノ社長はパーマ剤およびヘアカラー剤の出荷統計を報告した。それによると、パーマ剤は高単価基調で成長が見られるほか、カラー剤に関しても美容室でのみヘアカラーをする人が自宅でのみ行う人の数を初めて上回ったことが8年ぶりのアンケートで明らかになるなど薬剤の好調が続いているという。その上で田尾氏は「メーカーも原料調達等で苦労しているが、潜在的なチャンスを成果につなげるためには全美商連との強力な連携が必須。密な情報交換で新たな市場づくりに取り組みたい」と述べた。
このあと、全美商連の前身である全国美容商業協議会が1959年に創設された際に、財務的に脆弱だった同会に対し協力資金受託金という名目で資金を提供した、滝川(株)、タカラベルモント(株)、新美容出版(株)に、長年にわたって全美商連の運営にご尽力いただいている蒲生茂顧問から感謝状と記念品が贈呈された。これに対し、滝川睦子 滝川(株)会長兼社長、野口耕永タカラベルモント(株)理美容事業部長、長尾明美新美容出版(株)代表が「生活者と日々接するサロンの皆様に喜んで頂ける安全・安心な商品を届けていきたい(滝川氏)」「今後も全美商連と共に売れるサロンづくりに全力で取り組みたい(野口氏)」「右側に創業者の長尾義胤、左側に2代目長尾光峰、そして3代目の長尾明美の3名でいただいと思っている。長尾義胤は全美商連の創設にお役に立てたことを最後まで喜んでいた(長尾氏)」とそれぞれ謝辞を述べた。美容協同組合日本ヘアデザイン協会の横田敏一理事長による乾杯の発声で酒宴に移った。

橋本健治理事長

野本義久全美連理事長

田尾大介(株)アリミノ社長

滝川睦子滝川(株)会長兼社長

野口耕永タカラベルモント(株)理美容事業部長

蒲生茂顧問(左)と長尾明美新美容出版(株)代表

横田敏一日本ヘアデザイン協会理事長
取材:小牧 洋
