ウイッグコンテストもメイクが勝負のカギを握る
コンテスト現場から見る、メイクの大切さ

最近ウイッグを使ったコンテストにお邪魔して気になるのは、ウイッグに対してのメイクの可愛さやクオリティの高さ。ヘアデザインの完成度や技術の高さはもちろんですが、入賞する作品はメイクも素敵なものが多いように感じます。実際に審査員室でも、「メイクの仕上がりが可愛くて目を引かれた」などの話題がのぼることもしばしば。ヘアデザインのコンテストといえど、デザイナーがイメージする女性像の表現をサポートし、なおかつ時代性を捉えたメイクが、審査にも大きく影響している模様。メイクに流行感があると、ヘアデザインにも今っぽさを感じさせる効果があるんですよね。

(写真はすべて、H.D.Fチャレンジカップ上位入賞の作品)

審査の基準も、テクニック&デザインの2軸性から、

テクニック&デザイン+トレンド(テーマ=課題)の3軸性に移行

先日開催された第25回H.D.Fチャレンジカップの審査結果集計中に行われた、木下裕章氏(KINOSHITA GAIEN EAST STREET・社長)による「コンテストの意義や参加する上で必要な準備」などをレクチャーするミニセミナーでも、気になるお話がありました。それは「現在のコンテストの基準は、かつての“テクニック”“デザイン”で審査されていた2軸性から、新たに“トレンド”を加えた3軸性に移行している」というもの。

現在のコンテストの考え方と審査のポイントは、テクニック&デザインの2軸性から、テクニック&デザイン+トレンド(テーマ=課題)の3軸性に移行している。(木下裕章氏(KINOSHITA GAIEN EAST STREET・社長)によるセミナーより)

それぞれのコンテストが投げかけるテーマ性や、トレンド性の理解と再現も、審査をする上で重要な位置を占めるようになっているということですね。メイクは特に時代性や女性像のテイストが反映されやすい部分なので、衣装が無いウイッグのコンテストの場合は特に力を入れるべきと言えそう。

サロンワークにおいてもそれは同様で、今は女性像の多様化に応じてお客様1人ひとりの好みやテイストを慎重に分析する必要あり。メイクはそうした女性像やトレンド性を紐解く重要なヒントになります。今まであまりメイクに興味が無かったという男性美容師のみなさんも、ぜひ一度お客様のメイクを観察してみてください。