ガモウ関西（藤本圭哉社長）は、12月3日（月）、大阪府大阪市のOBP円形ホールにおいて、「三都杯決勝大会」を開催した。これは、8月27日（月）に京都で行われた予選大会（当日課題が発表されるスタイルフォトカット（ウイッグ）と、ファッションテーマ“NEO STREET”の規定があるモデルデザイン競技）を見事勝ち抜いた6名のファイナリストたちが出場する頂上決戦。
まず第1部では、当日初めて会うモデルに対して、要望・悩みを踏まえてデザインをつくる「サロンワークステージ」が35分で行われる。カット技術、似合わせ技術はもちろん、モデルへの接し方、所作など、まさにステージ上で再現した普段のサロンワークを審査されるという内容となっている。
そして第2部が、「三都杯」のオリジナルとも言える「モデルクリエーションステージ」。これは、モデル3名のカットデザインを披露する15分間のヘアショー形式のクリエーション競技で、モデル3名のうち2名はデザインを完成させておき、残り1名はステージ上でカットするほか、デザインに対してのトークプレゼンテーションも必須で、非常に難易度が高い。また、ステージ発表の後には、審査員との質疑応答があり、カット技術、モデル3名のトータルコーディネイト、そしてプレゼンテーションも審査の対象となり、表現者としての総合的な力が問われるのが最大の特徴だ。
こうした難易度の高い闘いに挑戦するファイナリスト6名は次の通り。
桒原拓弥（YAYOI~BRAINS）
種村 暢（grace）
津村亜希（Vi・a ・hair ）
永井啓之（TONAI）
別所裕司（μ）
山中周也（Marais）
敬称略
6名が熱戦を繰り広げる中、グランプリを受賞したのは、山中周也（Marais）だった。
テーマを「originate,don’t imitate」とし、彼自身が好きだと言う「シンプルでカッコいい」ベースに、「アイデアと遊び心」をプラスした世界観を、スピード感溢れる音楽とカット技術、ミニマムに切り込んだベリーショートスタイルの3人のモデル、70年代カルチャーを融合したステージの中に詰め込んだ。山中さんの発する、好きなものに対するエネルギー、自分らしい表現は、会場と観客をのみ込むような圧倒的な勢いがあった。
この三都杯に挑戦して8回目、ファイナル出場2回目にして勝ち取ったという山中さんの、感極まって涙する姿に、会場中から惜しみない拍手が送られていた。
また、グランプリと同時に、西村晃一さん（Nicole.）と岡村享央さん（MINX）のデザイナーズ賞、新美容出版賞を含むジャーナル賞2つも受賞しており、デザイナー2人からは、「コンテストでは傾向と対策を練る人もいるが、自分らしさを追求する彼の姿勢はすばらしかった」（西村さん）、「ミニマムに切り込むからこそ、残し具合が重要になるし難しい。そのバランスが絶妙だった」（岡村さん）という言葉が送られた。
尚、審査員は、岩上晴美さん（kakimoto arms）、岡村享央さん（MINX）、かあこさん（SOHO）、古城 隆さん（DADA CuBiC）、西村晃一さん（Nicole.）、森川丈二さん（gem）と、ジャーナル4社が務めた。
ファイナリスト6名のテーマとモデルを紹介。（ステージ発表順）
①桒原拓弥（YAYOI~BRAINS）／Different Texture×MODE
ドライ、ウエット、セミウエット、ストレート、ワッフルといった質感ミックスとカットラインの面白さで見せた。細かいディテールにまでこだわったデザイン。
②種村 暢（grace）／エスニック フューチャー
世界各地のエスニック文化から着想した世界感を披露。25歳とは思えない堂々としたステージングも見事。衣装はすべてユニクロ製品を自分でリメイクしたという。
③津村亜希（Vi・a ・hair ）／complex
コンプレックスに負けず、自分らしい個性を大切に。というメッセージを込め、女性らしい情感溢れるストーリー性のあるステージングが印象的。
④永井啓之（TONAI）／アンリ ウミ ツキ。
テーマ名は、ご本人の3人の娘さんのお名前。モデル3人を正確の異なる3姉妹に見立てた。憧れや好きなものに対する、女性の夢見るような感情を繊細に表現していた。
⑤別所裕司（μ）／メトロポリタン
大都会というイメージに、ストリート感、毒っ気を加えて表現。左から、刈り上げ、フロントの重さ、えり足の質感と、ポイントを絞ったデザインが光っていた。
⑥山中周也（Marais）／originate,don’t imitate
彼自身が好きな「シンプルでカッコいい」ベースに、「アイデアと遊び心」をプラスした世界観を、ミニマムなベリーショート、ポップなカラーやメイク、抜け感のある衣装で表現。
