学校法人 国際文化学園(平野 徹理事長、荘司礼子渋谷校・国分寺校校長)は、2019年2月21日(火)、東京都渋谷区のセルリアンタワー東急ホテルにて、「報告・懇親会」を開催した。
これまでも有職故実に関する勉強会を積極的に開催し研究継承に注力してきた同学園が、新たな元号に変わるこの節目において、衣紋や着付け、理容美容の教育方針等を発表する場として会を催した。メーカー、ディーラー、ジャーナル各社が多数出席した。
報告されたのは以下の6点
●「日本の結髪(仮題)」発刊計画
古事記や日本書紀、さらに古くは埴輪や土偶などの資料から、日本の結髪の変遷を追うだけでなく、当時の技法を用いての再現を試みるプロジェクトをスタートするという報告があった。
ポーラ文化研究所の村田孝子氏が参加。
●渋谷校「修得者課程 理容科」の新設
昨年の理容師法施行規則及び美容師法施行規則における受験資格に関する改正をうけて、美容師免許取得者(予定者も含む)を対象とした新しい通信課程コースを設けた。
美容師免許取得予定者も履修できるため、最短2年半で美容と理容の国家資格取得が可能となっている。
新コースは修業年限1年6か月で、定員は20名。なお、現在すでに募集定員に達しているとのこと。
●「THE BARBER」に関する報告
昨年にニューヨーク店、日本橋高島屋店をオープンしたとの報告があった。
また、同校の美容科の学生も理容室への就職を希望する声があるとのことだった。
●宮家婚礼の儀に関する報告
2014年10月5日に出雲大社で行われた、高円宮家典子女王殿下と千家国麿氏の結婚の儀
2018年10月29日に明治神宮で行われた、高円宮家絢子女王殿下と守谷慧氏の結婚の儀
において、衣紋を学ぶ衣紋者数名がお服上げ等に携わったとの報告があった。
●「国際有職故実学会」発足、京都道場(仮称)の開設
流派にとらわれず、多くの人が平安文化に触れることができる機会を設けたいとして、新たな学会を発足する。有職故実の根底にある察し相手を最優先する精神を通じて、今日の美容室で学ばれている「技術」そのものだけでなく、技術を使う「人」を育てたいとした。
前項の宮家婚礼の儀に携わったことによって、より人そのものの重要性を新たにしたと語られた。
●「国際文化 着付技術選手権」に関する報告
「武市昌子杯着付技術選手権」を改称し、「国際文化 着付技術選手権」とするとの報告があった。これまで、1969年から同校の校長を務めた武市昌子氏の名を冠してきたが、節目の年にあわせ、武市氏が創設※した「国際文化」を冠することとした。
流派にとらわれることのなく、より現場の技術を発揮できる場にしたいと意欲的に語られた。
なお、武市昌子杯着付技術選手権1回目から通算して、今年は16回目を迎える。2019年12月10日に、国際文化理容美容専門学校国分寺校にて開催予定となっている。
※学校法人 国際文化学園は1953年3月に東京都渋谷区円山町「国際文化理容美容学校」(現 渋谷校)を設立し 初代校長に武市素以子氏が就任し。同年9月、厚生大臣(現 厚生労働大臣)の指定を受けている。