macaroni coast宮地恵子さんに聞く 大幅なレングスチェンジをする時のポイント
SHINBIYO4月号「重めボブの真実」特集より

今回のSHINBIYO JOURNALは、SHINBIYO4月号のデザイン集をご担当いただいた『macaroni coast』の宮地恵子さんにご登場いただきました。

誌面では、アラフォー世代に向けた、ステキなボブデザインを提案してくださったのですが、実はその中の1人のモデルさんが、スーパーロングからのボブ提案だったんです!

ここでは、宮地さんがそのモデルさんをカットする様子と、ロングから短く切る際の注意点をお届します。

――髪が長い方をボブやショートなど、大幅なレングスチェンジするときの注意点はありますか?

宮地 ロングから短く切る場合、えり足の浮きなどのクセがわかりにくいので、当たり前のことですが、いきなりカットせず、クセをきちんとチェックしてから切り進めることが大切。大幅なレングスチェンジをする場合、思っていたよりも短くなってしまうことが多いんですよ。肩くらいに切ろうと思ったんだけど、アゴ下のボブになってしまったとか。

――それはどうしてですか?

宮地 ロングの状態だとクセがわかりにくいですし、本人にクセがなくても、結びクセがあったりして、まっすぐカットしただけだと、馴染まないことが多いんです。それで、内側を短くイングラ気味にカットしたりして、収めていくのですが…、そうやって調整していくと、どんどん短くなってしまう。だから、一度、想定している仕上がりよりも長めに、テンションをかけずにカットして、クセや髪の収まりなどを確認し、その上で、最終的に求める長さにつめていくといいですね。

今回、モデルさんの希望で、カットした髪の毛はヘアドネーションした。

――他に注意点はありますか?

宮地 女性の場合、髪を切った後の周りの評判をすごく気にするんですよ。その時に、「ロングのほうがよかった」と言われると、切らなければよかったと後悔しがちなんです。だから、「切ってステキになった!」と思わせる、その人に似合うライン設定が何よりも大切。あとは、カットする前に、お客様に新しいスタイル(今回ならボブ)にすることのメリットをお伝えしています。ロングは女性らしいイメージにはなりますが、切ったほうがどんなファッションにも合わせやすい。それに、髪もキレイな状態でキープしやすいし、顔立ちなど気になっている部分もカバーしやすいと思います。今は、毛先がハネたりすることもニュアンスとして活かせるのでスタイリングも簡単だし、オシャレに決まる。そういう切ることのメリットや安心感を伝えることも、バッサリ切ったことを後悔させないために、大切だと思います。

――SHINBIYO4月号では、アラフォー世代の大人の女性に向けた、ボブデザインをご提案いただきました。この世代への提案のポイントは?

宮地 30代後半~40代になると、女性は髪質が変わってくるので、ロングをキープし続けるのが難しくなってくるんです。また、出産したり、仕事が忙しくなったりして、環境も大きく変わる時期なので、本人としても、このままずっとロングでいいのかと悩むようで。こういった方には、肩前後のボブを提案することが多いですね。私もこの世代なので気持ちがわかるのですが、若くもないけど、かといって貫禄もまだない、曖昧な年代なんですよ。だからこそ、髪型も曖昧な長さが似合うような気がします。

――ボブとミディアムの間くらいの長さですよね。このレングスって、こなすのが難しい気がするのですが。

宮地 ラインさえ決めておけば、オシャレに決まります! 先ほども言ったように、今は、肩に当たって毛先がハネるのもデザインとして活かせるし、今っぽさが出るレングスだと思います。それに、レングスがやや長めになると、ボブだけど縦長のフォルムになるので、顔のたるみなどが気になってくるこの世代にオススメなんですよ。

プロフィール

宮地恵子(macaroni coast)

広島県出身。東京美容専門学校卒業。都内1店舗を経て、2010年『macaroni coast』の立ち上げに参加。現在は、マネージャーを務める。

※詳しいカットプロセスはこちらからご覧いただけます。