ブリーチブームが続く中、ホワイトに近い17.5レベル以上の明るさをキープしたいという人も増えています。こういった“超”高明度を好む方は、その明度でしかできない薄くて透明感のある色を求めることが多いので、ベースの色ムラはなるべく抑えたいもの。その際に難しいのが新生部のリタッチです。
超高明度をキープする場合、日本人の地毛の明度が4~5レベルなので、既染部が17.5レベル以上だとすると、新生部と既染部の明度差は10レベル以上あることになります。そのため、新生部をしっかりとリフトアップさせないと、既染部と色や明るさがつながりません。また新生部に塗りムラがあると、その部分がリフトアップしきれず、色ムラとなってしまいます。
一方、新生部をリタッチする際に、既染部にブリーチ剤がついてしまうと、その部分が明るく色ムラになり、ダメージを進ませてしまいます。さらに、ブリーチを繰り返している既染部はダメージしていることが多いため、これ以上負荷をかけると断毛する恐れもあります。

例えば、ホワイトブリーチを継続しているこちらのモデル。新生部と既染部の明度差は15レベル! 既染部のダメージは大。ブリーチリタッチが最も難しいケース。
そのため、既染部にブリーチ剤がつくのを極力避けながら、ディバイディングラインギリギリまで、新生部に塗り残しがないように、しっかりとブリーチ剤を塗布していくことが大切です。しかし、そのように塗布したとしても、パネルを重ねた時にいらないところにブリーチ剤がついてしまったり、時間が経つとブリーチ剤が膨張するため、既染部側にオーバーラップしてしまったりしがちです。
そんな時に役に立つのがコットン。パネルごとに、ブリーチ剤の塗布部分にコットンを挟むことで、パネル同士が密着して、余計なところに剤がつくのを防ぎます。また、ブリーチ剤が膨張した際にも、コットンが液ダレを吸い込んでくれます。さらに、頭皮は部位によって熱の伝わり方が違い、リフトアップするスピードが異なるのですが、コットンを挟むことで、均一に空気酸化されやすくなり、色ムラを防ぐという効果もあります。(※コットンのかわりに、ペーパーを挟む方もいらっしゃるようです)
パネルごとにコットンを挟んでいくので手間と時間はかかりますが、ブリーチのクオリティは格段に上がります。コットンブリーチの詳しいテクニックは、現在発売中の『SHINBIYO』5月号にて、詳しくご紹介しています。ぜひご覧いただき、高明度のリタッチの際に、試してみてください。

パネルごとにコットンをはさんでブリーチしていく、通称「コットンブリーチ」。『SHINBIYO』5月号にて、ナガタミズキさん(KORD)が担当してくれました。詳しいテクニックは誌面をご覧ください。

コットンブリーチにより、ムラなくリフトアップし、黒と白に分かれていた髪がキレイにつながった。
『SHINBIYO』5月号は、ブリーチの継続提案について大特集! 現在の明るさをキープするケース、トーンダウンするケース、両方をご紹介しています。高明度のブリーチリタッチを担当してくれたナガタミズキさん(KORD)をはじめ、カラーに定評のある美容師の方々、総勢9名にご登場いただいています。お見逃しなく!