プロフェッショナルたちが多彩な「イロ」を表現
Project C the stage #2 Professional ~イロドリのものがたり~ / ホーユー

3月19日(火)、ホーユーは、千葉県浦安市の舞浜アンフィシアターにおいて、ヘアステージ「Project C the stage #2 Professional ~イロドリのものがたり~」を開催した。「Project C」とは、サロンカラーや色が持つ可能性とその価値を発信し、ヘアデザイナーのクリエイティビティを刺激して、想像力を引き出すきっかけづくりを目的に、多彩なイベント・プロモーションを連動させた同社のプロジェクトのことで、ヘアステージは昨年に続き2回目となる。

今回も、業界を牽引するプロフェッショナルたちが集結し、技術、個性、感性で人の人生を豊かにするという意の「イロドリ(彩り)」をテーマに、「C」から始まる9つのキーワードに沿って多彩なパフォーマンスを展開。冒頭にキーワードを提示してから各ステージがスタートする演出によって想像力を掻き立てられた観客は、その意味をより深く探ろうと夢中でパフォーマンスに見入っていた。

ステージの内容は次の通り。

1 CRAZE=狂気、冒険、流行

宮村浩気(AFLOAT)

会場が「シルク・ドゥ・ソレイユ」の専用劇場だったことになぞらえ、「ミヤム・ドゥ・ソレイユ」と題して展開。モデルをボブにカットした後、ドライヤーで風に吹かれたようなダイナミックなスタイリングを披露。10名のダンサーによる空中曲芸やダンスと共に、スピード感溢れる華々しいオープニングを飾った。

2 CHORD=琴線、感情、和音

高原紀子、岩元俊介(kakimoto arms)

黒髪を活かして中間~毛先にカラリングされ、質感の違うウエーブやアレンジが施されたヘアスタイルはバリエーション豊か。折り紙をモチーフにしたような造形的な白いドレスとの対比が面白い。音楽、歌声、ライティングなど、そこに様々な要素が重なり合い、動きや見る角度によって違う表情を見せてくれた。

3 CONNECT=結ぶ、繋ぐ

ひのとおる(CRE DE garden)、白井雄喜(FERIA)、矢賀サトシ(IWAI)

「あなたの大切な人をステージでカットしてください」というテーマで、3名のデザイナーがカットを行うプログラム。デザイナーやモデルさんのインタビューから、場所も働き方も異なる3人に、美容を通じて人との繋がりを築くという共通項が浮かび上がってくる。カット後のモデルさんたちの笑顔が印象的。

4  COMMON SENCE=常識、社会通念

塚本 繁(K-two)

あえて手元を隠したり、影絵のようにシルエットだけ見せたり、ヘアショーの常識を打ち壊そうとする演出が新鮮。1名だと思っていたモデルが実は2名いて、同じシルエットでも全く異なるスタイルが出現する。常識に縛られず、自分のルールで歩き、感性を研ぎ澄ませることの大切さを教えてくれる。

5  CHROMA=色彩、色相

伊佐治稚佳、桑原大輔、馬渡さやか、田中圭子

気持ちや気分を「色」によって表すことで、色の意味、色が持つ力を提示しようとする意欲的な内容。音楽劇のようなスタイルで、カラフルなヘアスタイルや衣装を身につけた老若男女が喜怒哀楽を表現。優しさを象徴するピンクの着ぐるみの中から、カラリストの伊佐治さんが出てくるなど、遊び心もいっぱい。

6 CUTTING EDGE=最前線、先頭

杉川友洋(merci)

同社が主催するフォトコン「カラコレ’18」クリエイティブ部門のグランプリ受賞者が、クリエイティブの可能性へと挑戦。無数のライトが敷き詰められたステージの中で、真っ直ぐにモデルと向き合い黙々とカットを続ける杉川さんの姿が浮かび上がる。シンプルだからこそ力強いステージから、彼の美容師としてのスタンスがかいま見えた。

7 COMPLICATION=複雑、入り組ませる

鳥羽直泰、赤松美和、高木貴雄、福江章子、鈴木昴司(VeLO/vetica)

時計の部屋、昆虫標本の部屋など、ステージ奥とセンターに計5つの不思議な部屋を配置し、そこで5名のデザイナーがカットを披露。マネキンのように動かないモデルたちも意味深。「難解で複雑だからこそ、創造も想像も面白い」そんなメッセージが込められた『VeLO/vetica』らしい表現が秀逸。

8 CELL=細胞、小部屋

イガリシノブ、山本修史(BEAUTRIUM)

人の意識や感情を細胞や分子レベルまで遡って、ヘア&メイクアップで具現化しようという試み。ラメや銀箔でメイクを施したダンサーが、髪を振り乱し、身体を屈伸させながら踊る。その原始的な肉体表現が細胞の活動を連想させる。丸いモチーフのセットや小道具と相まって、不思議な世界観をつくりあげた。

9 COLLAGE=コラージュ、さまざまな物の寄せ集め

根本貴司、西村光太郎、高田昌宏、石原慎太郎、中原章義(Double)

モデルと白い樹木のセットは、冒頭、個として存在していたが、中盤、スタッフたちが真綿を引き伸ばして、まるでクモの巣を張るようにモデルと樹木を繋げていく。ラスト、光を浴びるとそれらは一体化し新しい何かになっている。コラージュによる変化の様子を、サロン一丸となって表現した圧巻のステージ。