これまで2回に渡って「ブリーチオンカラー特化型サロン」として知られる『ALIVE』の、「入社2年目でまずカラリストとしてデビュー、3年目でスタイリストデビュー」という変則的なデビューシステムについて、吉祥寺店・店長の白土 諒さんにお話を伺った。最終回となる3回目では、このシステムが生む「自主性」について語っていただく。
ゴールまでの時間を区切ることで、集中力と自主性を高める
――これまでに、進度が遅れてしまって1年後にデビューできなかった、というような事態は起こらなかったのですか?
白土 今のところ、1人もいませんね。というより、1年後にはカラリストとしてデビューさせるから、それまでにカラリストとして通用するように自分で考え、準備しておきなさい、というスタンスに近いんですよ。
――自主性に任せている部分が大きい、と?
白土 「2年目でカラリストデビュー」だけではなく、スタイリストにも原則「3年目でデビュー」と決めているんです。通常は、技術のチェックを一つずつクリアしていって進む、というシステムが多いですよね? ウチはチェックに受かる受からないよりも「3年目でデビュー」と時間を決めている。時間を区切られると、デビュー時から逆算して「今やるべきこと」「次にやるべきこと」「半年後に到達していなければならないレベル」といった先々までを考え始めるんです。
――時間を区切ることで、かえって自主性が生まれる、ということですか?
白土 はい。そう思います。本人の意識が立ち上がるので、デビュー後、売れるスタイリストになるためには、自分をどうブランディングしていけばいいのかも、早くから考え始めます。今のところ、3年目でスタイリストデビューできなかった例はありません。もしできない人が出たら、対応はそのとき考えます(笑)。
―――そういった自主性を育む教育のコツはあるんでしょうか?
白土 う~ん…こっち(サロン側)が色々用意して、細々と手をかけないと育たない、という考え方はちょっと違うと思うんですよ。乱暴な言い方に聞こえるかもしれませんが、ある程度信じて任せてあげるほうが、わりと勝手に育っていく、というか。サロンでキャリアのある人間は、新人を「まだ何もできない」と決めつけ過ぎる傾向があると思うんです。必要最低限のことさえちゃんと教えれば、彼らも自分たちで色々考えて工夫し、クリアしていくし、意外にできるものなんですよ。今の時代はそういうスタンスで接した方が、頭も使うし、やる気も出ると思うんですよね。それが自主性に繋がっていくんじゃないでしょうか。
――手をかけ過ぎるとかえって成長を妨げるかもしれない、ということですね?
白土 もちろん注意深く見ておき、要所要所では必要な言葉をかけたりします。彼らのインスタなども欠かさずチェックしています。でも手を出し過ぎると、つまづいた時にわりと弱い人間になりやすい。ある程度自主性に任せて、自由に育てたほうが結果的に強いスタイリストになれるのでは、と思いますね。
『ALIVE』の白土さん(写真左)、高橋優輔さん(中央)、中村雄樹さん(右)の3人も含めて、ブリーチデザインの達人たちが「ケアを考えたブリーチオンカラー」のデザインとテクニックを紹介する「月刊SHINBIYO特別編集MOOK『ケア&ブリーチ~継続できるブリーチオンカラー 3つのルール』」が6月27日(木)発売となりました! サロンワークですぐに役立つ情報が満載の1冊です。ぜひご覧になってくださいね!