全国理容生活衛生同業組合連合会(全理連・大森利夫理事長)は7月3日、都内新宿区の中央理美容専門学校で「2020ニューヘアLeap(リープ)」の発表会を行った。リープは、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックをイメージしたスポーティなヘアスタイルで、躍動感溢れる動きやハネ感のある毛流れが特長だという。また、全理連では「これからの理容店経営にとって女性客をいかに誘致できるかが大きな鍵」としており、ここ数年の発表会ではレディスヘアの露出度が高くなっている。リープの発表会でもテコンドーの世界選手権金メダリストのアスリートやミセス日本グランプリなど話題性のある女性モデルを起用している。
午前10時から始まった発表会には、全理連中央講師や各県組合の教育部長など約200名の関係者が参加した。挨拶した飛田英雄全理連教育委員長は、スポーティを意識したというリープのコンセプトについて説明した後、「設定委員会のメンバーには①売れること、➁女性客増加の一助になることという条件でデザイン設定をお願いした」と述べ、リープが理容店における女性客獲得の“助っ人”になることを期待した。
飛田英雄全理連教育委員長
設定委員会のチーフを務める白川丈晴中央講師会幹事長は、全理連におけるニューヘアの位置づけが非常に高いことに触れ「スケールメリットを活かし全国の組合員サロンが積極的にポスターでアピールすることが重要」と個々の営業努力を訴えた。
いっぽう、来賓として挨拶した大森理事長は「生産性向上の追求が儲かる理容店の実現につながる」としたうえで、具体的なテーマとして①訪問福祉理容、➁外国人を顧客化する体制づくり、③女性客創出をあげた。このうち①の福祉理容については、昨年度のテレビ放映が奏功しており今後も続けていく考え。また、➁に関して大森理事長は「外国人は増加するいっぽう日本人は減るわけだから、彼らを顧客として取り込んでいかなければ日本の理容業界の将来は無い」と危機感を訴えた後、来店した外国人客にすべての組合員店が対応できるようにと全理連が作成した「指さしテキスト」や、現在約1,000店舗が登録しているという全理連のサロン検索サイトなど取り組みの実例を紹介した。
大森利夫理事長
河合靖臣中央理美容専門学校校長
リープのステージ発表に先立って行われた全理連中央講師会トレンド研究室によるプレゼンテーションでは、担当の飛田恭志講師らが2019~2020秋/冬にかけての社会情勢やトレンド&ファッションキーワード、ビジネスや健康、ケミカル分野等における様々なトレンド予測を図やイラストを使って解説した。ステージでは白川チーフのほか小関潤一(山形)、江川真一(埼玉)、田中一隆(京都)、荒木美智子(佐賀)の各設定委員が、“持ちのよい”カットで男女がボーダレスなスポーティヘアを楽しめるというLeap6点を、技術解説を交えながら紹介した。 (記者:小牧洋)