6月4日(火)に開催した、撮影方式の誌上コンテスト「SHINBIYO フォトシューティング」。ここでは51名の中から、見事、最優秀賞を受賞された『DADA CuBiC』小林和哉さんにインタビューを行いました。
――最優秀賞受賞、おめでとうございます! 早速ですが、「SHINBIYOフォトシューティング」に応募しようと思ったきっかけを教えてください。
小林 自分でも撮影をよくしているんですが、カメラとヘアを同時に担当することが多く、ヘアだけに集中できる撮影をしたいと思っていたんです。そんな時に、SHINBIYOのインスタでこのイベントのことを知り、「まさにヘアだけに集中できる撮影だ!」と。応募要項を読んだら、今年から参加できる年齢が40歳までにあがっていたので(※昨年は35歳まででした)、応募できると思ったんです。それから、自分の作品って、客観的に見てどうなんだろうとも思っていて。率直な意見を言ってもらえる機会って、なかなかないじゃないですか。だから、自分のつくっているデザインに対しての率直なコメントが欲しいと思っていたんです。『SHINBIYO』のバックナンバーを引っ張り出して、昨年のフォトシューティング大会の誌面を見てみたら、結構、ズバッと辛口なコメントを編集部の方がしていたので、こんな風に意見を言ってもらいたいと参加を決めました。
――辛口…ですかね?(汗) コメントは、編集部全員の意見をまとめたものなんですが、みんな熱いので、「もっと上手くなってほしい!」という思いから、ちょっと厳しめになってしまうのかもしれないです。でも今回、小林さんの作品は、編集部全員一致で選ばれたんですよ。
小林 コメントを読んで、びっくりするくらいほめていただいいるなあと思って。それはそれでうれしかったです(笑)。
――シューティング大会に参加するにあたって、どんなことを心掛けましたか?
小林 セレクトまで含めて25分と時間が限られているし、アイロンも使えないので、ヘアの仕込みをしっかりすること、ですね。今回の編集部の総評にも書いてありましたが、僕も360度、どこから撮ってもOKなようにつくりました。この角度と決めてつくり、撮影してみて「やっぱりこの角度じゃない」となってしまい、違う角度でヘアをつくり直すことになったら、時間が足りなくなると思ったので。それから、メイクを担当してくれたアシスタントの渡辺が、今回が初の撮影で、メイクの調整に時間がかかると思ったので、ヘアは完全に仕上げた状態で臨みました。
――実際、撮影してみてどうでしたか?
小林 カメラマンの方ともコミュニケーションがスムーズにとれたし、自分が思っていた以上の撮影ができたと思います。ただ、編集の方が、撮影前におもむろにタイマーをセットしていて、撮影中にタイムがチラチラ視界に入り、あれには焦りました(笑)。
――ヘアデザインとして、こだわったところは?
小林 360度、どこから撮ってもOKなように、スタイリングでつくるのではなく、カットでつくるということですね。360度でカットのバランスが取れているデザインは、 髪の毛の動きに無理がないし、スタイリング剤をつけなくても 自然な柔らかい動きが出てくると考えています。今回、理解のあるモデルさんだったので、ベースからしっかりとカットさせてもらいました。あとは、エントリーシートにも書いたのですが、自分の中では「クリーン」というテーマを設定し、髪をホワイトブロンドにし、洋服も白にして1トーンでまとめて表現しました。
――シューティング大会の朝、菅野(由美子)さん(DADA CuBiC代表)に、「負けるんじゃないわよ」と送り出されたと、おっしゃっていましたよね。
小林 そうなんです(笑)。そう言われて、「そこ(勝ち負け)じゃないんだけどなあ」って思ったんですけどね。今回は本当に、純粋に撮影がしたくて、客観的な意見がもらいたかったので、参加したんですよ。でもまあ、サロンのみんなも応援してくれていたので、有難いですね。
――最優秀賞を受賞されて、サロンのみなさんの反応はいかがでしたか?
小林 みんな「よかったね」「いい感じじゃん」と言って喜んでくれました。
――小林さんはサロンではトップスタイリストで、アカデミーではカットの講師も務めていらっしゃる。その立場がある中での参加ということで、躊躇するところはなかったですか?
小林 まあ、少しは意識しましたけど、それはそれですからね。自分自身、今よりもっと上手くなりたいし、自分のためになることだったらキャリアや肩書などは関係なく、チャレンジしたほうがいいと思っているんです。今回、貴重な経験ができて、賞もいただけて、本当にうれしいです!
小林和哉(DADA CuBiC)
こばやし・かずや/1983年生まれ、岩手県出身。山野美容芸術短期大学卒業後、『DADA CuBiC』に入社。現在、トップスタイリスト。また、カットアカデミーの講師も務めている。
※次回は、同じく最優秀賞を受賞された田中けい子さん(BLANCO)のインタビューをお届けいたします。