毎月1名のヘアデザイナーをフィーチャーする連載企画「ORIGINAL DESIGN」。今回は、内田聡一郎さん(LECO)が担当してくださったSHINBIYO11月号の同企画が出来上がるまでの舞台裏を、全部お見せします!
①内田さんと担当編集で、
1回目の打ち合わせ
担当編集と内田さんで1回目の打ち合わせ。企画内容の説明後、編集部からのリクエストと内田さんの現時点でのイメージのすり合わせを、相談しながら行います。
撮影日の1週間前に最終打ち合わせをする約束をして解散。その日までに内田さんはモデル探しとヘアデザインの具体的なイメージを練ります。
②キャストが全員揃った状態で
最終打ち合わせ
内田さんは、デザインデッサンとモデルの写真を見せながら、今回目指す自分の作品イメージをプレゼン。
そのイメージを汲んで、スタイリストの村吉さんや、メイクの松野さん、弊社カメラマンの酒井がイメージを膨らませて、それぞれのパートから質問をしたり意見を言ったりしてディスカッションを行います。
↑実際に内田さんが打ち合わせ時に用意したデッサン。
モデルさんはみなさん粒揃い。LECOのスタッフの方が、まさに命がけでハントしてきてくれた方々です。
↑打ち合わせ時に用意されたモデルさんの写真
③LINEグループを活用し、撮影チームでモデルの仕込みの状況を共有
内田さんは最終打ち合わせ後も、モデルさんの仕込みの状況を事前にチーム全員に送ってくれました。このマメさと周囲を巻き込んで物事を動かしていく腕力が、内田さんのすごいところ!
BEFOREから大きくチェンジしていくモデルさんの様子を実況中継のように見ることで、撮影チームの気持ちも高まります。
↑実際のラインのやりとりの一部
↑内田さんから撮影チームに送られた、仕込み後の画像
④いよいよ撮影当日!!!
内田さんは、朝8時にスタジオ入り。事前にカラーを仕込んだモデルさんに対して、最終的なカット&カラーの微調整と仕上げのスタイリングを行います。
その後、衣装合わせやカメラチェック(試し撮り)を経て、本番の撮影を行う流れ。
↑事前に仕込んでおいたモデルのヘアの、最終的な微調整。
↑松野さんによるメイクが仕上がったら、スタイリングです。
↑衣装は、スタイリストの村吉さんによる手作りの作品。モデルやヘアメイクの仕上がりを見て、即興でアレンジしていきます。
↑ヘア、メイク、衣装。カメラ前での最終調整の様子。
↑撮影した写真を、実際のレイアウトにはめ込んでチェックします。
8時スタートの撮影がすべて終わったのは、夜の7時。11時間にも及ぶ長丁場でした。
その間、内田さんはひたすら手と頭を働かせながら、ヘアと写真に向き合っていました。
しかも撮影が終わるやいなや休憩もそこそこに、「これから銀座へトークセミナーをしに行ってきます!」と言い残して、華麗にバイクで去っていかれました。そのタフネスぶりも規格外!
⑤色校の確認
色校とは、写真が印刷後どのような見え方になるかを、雑誌になる前に確認するためのもの。通常はカメラマンと編集部でチェックを行いますが、今回は繊細なカラー表現を行ったため、内田さんにも見ていただくことに。
照明の色に左右されない自然光のもとで見るのが、一番正確に色が見えるため、サロンの外で見ていただいています。
↑営業の合間を塗って、真剣に色校をチェックする内田さん。
こうした工程を経て出来あがったのが、このページ!
hair:SOICHIRO UCHIDA(LECO)、make-up:HITOMI MATSUNO、styling:YUKI MURAYOSHI、photo:FUTA SAKAI(SHINBIYO)
現在発売中の、SHINBIYO11月号に掲載されている「ORIGINAL DESIGN」です。
インタビューでも心に響くお話を聞かせていただきました。デザインも発する言葉も熱くて思いが強いのが内田さんの魅力!
ぜひ実物を手に取って、目で見て触れて感じてみてください。
内田聡一郎
1979年生まれ、神奈川県出身。国際文化理容美容専門学校通信課程卒業。神奈川県内1店舗を経て、2002年『VeLO』のオープニングに参加。姉妹店の『vetica』のトップディレクターを務めた後、2018年に独立し『LECO』をオープン。時代性と独自性を両立した高いクオリティのヘアに定評あり。特にジオメトリックなカットとブリーチオンカラーとのかけ合わせで生まれるデザインは、業界内外から注目を集めている。