カラーとケアで“高価値”サロンサービスを実現
2020年度事業方針説明会 / ウエラ プロフェッショナル

ウエラ プロフェッショナル(コティグループ HFCプレステージジャパン合同会社/金子雅明代表)は、2019年10月17日(木)、東京都港区のヒルトン東京お台場にて、「2020年度事業方針説明会」を開催した。

冒頭、金子代表が台風被災地へお見舞いの言葉を伝えた後、シルヴィ モロー・グローバルプレジデントのビデオメッセージ、4月に東京に着任したステファン ガー・アジア統括ゼネラルマネージャーの挨拶があり、続いて、大場英俊・販売戦略グループマネージャーより、2019年度ウエラ事業方針レビュー報告が行われた。

挨拶に立つ、金子雅明代表

2020年度方針説明として、まず、大浦里絵・消費者市場戦略部マネージャーより、日本の消費者動向とサロン市場環境についての解説があり、2020年の消費者のトレンドキーワードは2019年と同様に「カラフル」を継続すると発表。その背景としては、より自由でボーダレス、軽やかな時代へと変化し、女性たちは本当の自分らしくありたいと願い、自分が選ぶモノ・コトの本質を見極めようとしていることを挙げ、結果、サロンカラーの楽しみ方の多様性が広がり、サロンカラーの本質へのこだわりも深まっていると分析。サロン業界は、より本質的で、より多様な「カラフル」なサービスをスタイリストが提供していかなければならないと結んだ。

これを受け、改めて、金子代表が登壇。日本の美容業界が抱える問題点として低賃金、長時間拘束などによる求人難、外資ファンドの台頭、eコマースへの対応などを挙げ、これらを解決していくには、美容業界の価値を向上させていくことが不可欠だと強調した。こうした状況を受けて、2020年の活動スローガンは、2019年から引き続いて、「『0から1』を創り出す。」と発表。「難しい局面だからこそ、一旦ゼロベースに立ち戻って現状を受け入れ、ポジティブに新しい価値をつくり出していきたい」と語った。

続いて、名倉 愛・副代表 マーケティング戦略統括より、2020年度製品戦略について、以下のような解説が行われた。ウエラが提供する“高価値”サロンサービスは、引き続き、高価値サロンカラー、高価値サロンケアという2本の柱で確立していくという。まずサロンカラーに関しては、個性やデザインを追求する女性には「コレストンパーフェクト+(KP+)」を、美しさを追求する女性には「イルミナカラー」を提供していくという2つの高価値サロンカラー戦略を提示。

昨年3月に発売された「KP+」に、2020年3月に新ラインとして、①ヴェールテクスチャー(柔らかい色味でビギナーにも使いやすい)、②クリエイティブ(クリアで鮮やか)、③カラーコントロール(既存のラインにプラチナが追加)、④ネイチャーコントロール(日本人のメラニンの色に近い暖色系)の4ラインが加わり、全139色のラインナップがそろう。そのクオリティも従来品よりアップし、高い発色力、ダメージ負担への配慮、色ツヤの8週間持続力が備わっているという。

コレストンパーフェクト+新色のラインナップ

また、1本で弱アルカリカラーに変えられ、最大50%アルカリオフできるという2剤「ACデベロッパー2%(アルカリキャンセラー)」も発売され、よりダメージ軽減、色持ち&再現性の向上が期待できるとしている。

新発売の「ACデベロッパー2%」の特徴

一方、「イルミナカラー」に関しては、2019年9月に発売された新色の売れ行きも好調で、春夏に予定している黒髪卒業式など、プロモーション活動を活発にしていくとした。

サロンケアについては、ヘアケアの価値を高めるため、従来のマイナスからゼロへのダメージケア発想から脱却し、なりたい髪質やデザインにふさわしい髪をつくることができる「デザインケア」発想を提案。それを実現するために製品「SYSTEM PROFESSIONAL」、オペレーション、教育の3本柱で提供していくとした。

製品としては、10月に大人の男性をターゲットにした「SYSTEM MAN」を発売。特別感のあるパッケージ、セクシーな香り、シンプルなラインナップで大人の悩みを解決することをコンセプトに、5つのアイテムで構成されている。

10月に発売された「SYSTEM MAN」のラインナップ

教育戦略については、田村 司・教育部部長より解説。これまで実践してきたセミナーなどの対面型の教育、WEB等を活用したデジタル教育をさらに進化させ、中期戦略として「教育のオムニチャンネル戦略」を発表。両者のメリット・デメリットを補完しながら、より幅広い教育を提供していくとした。具体的には、カラーのエキスパートを育成する「KPプラスマイスターコース」、デザインケアのスペシャリストを育成する「ケアロジスト」、「エリートケアロジスト」の教育プログラムをそろえているという。

また、スタイリストの感性を高めるため活動の一環として開催されてきた「トレンドビジョン」では、2020年よりアワードを整理。クリエイティブを競う従来の2アワードを一括化して「クリエイティブヴィジョンアワード」と改め、新たに、サロンスタイルを超えながらもそのまま街を歩けるスタイルを競う「トレンドカラーアワード」を設けるとの報告があった。