HSC(長谷川敏雄会長) は、11月27日(水)、東京都渋谷区のBLOCK HOUSE 原宿において、「HSC設立発表会」を開催した。
まずはじめに、HSCメンバーは2019年9月現在、内海、東光舎、ナルトシザー、ヒカリ、山村製作所(アイウエオ順)であることや、日頃はライバルとして競い合う中、ヘアビジネスにかかわる個人や団体が、安心・安全に活動できることを可能にするために、よりよいハサミづくりを目指す組織であることが紹介された。
長谷川敏雄会長の挨拶に続き、設立趣旨の説明を井上研司標準化委員長が行い、各委員会(萩野眞企画委員長、山村興司教育委員長、高橋伸一広報委員長)からの報告が行われた。
主な活動は、①鋏にまつわる知識の総括と啓蒙、②品質の評価方法の確立と基準認定及びその管理、③HSCの活動内容の日本国内及び海外への情報発信。
①については、理美容業界において理美容鋏に関する、エビデンスに基づいた正しい知識が少なく、各販売業者の都合に合わせて間違った認識が広まるなどするケースも見受けられるため、理美容鋏における基礎的知識を総括し、根拠のない批判を無くし、公平な市場競争と正常な市場秩序維持のための一助となるよう活動していくことが説明された。
②については、“切れ味”はユーザーによって好みを異にする微妙な感覚のため、その定量化は難しいとされてきたが、近年、各種センサーの高精度化により、鋏による切断の状況はより克明に観察することが可能となり、切断現象を詳細に観察し、その結果から公正な鋏の評価方法を提案し、ユーザーが安心して鋏を購入できる環境の整備を目指す。
③は、HSCにて総括された情報を、多言語にて世界各国にあるHSC会員企業の取引先や展示会、ホームページ、SNS、動画投稿サイトを通じて全世界発信を行っていく。
具体的な事業計画として、①に対しては、鋏の特徴に関する知識の総括(基礎的な事項)、鋏の使い方に関する知識の総括(メーカーとスタイリスト双方がかかわる事項)、鋏の仕組みや素材に関する知識の総括(工学的な内容に関する事項)、鋏に関する用語の統一化などを順次公開していく。②に対しては、鋏の品質基準の策定や基準の認定制度の確立・運営を、数年を目処に構築する。③は、ホームページの運営管理やSNS発信に加え、2020年3月のコスモプロフボローニャへの参加予定であることが発表された。
また、ユーザー代表として中澤好夫氏(vicca)、齊藤広晃氏(salon de coiffure Le rêve)が来賓として挨拶。”ハサミ”と”技術”の関係性や、「質の良い技術には良質なシザーで、いい仕事を」と述べ、HSCの今後の活動に期待を寄せた。
日本発の情報を世界中の理美容鋏でのスタンダードとし、日本製鋏の品質の安心感を高め、日本製ブランドの更なる強化につなげる。