このタイガーマスク姿で講演を行っている男性は誰? いったいナニモノ? 「あ~! ネットで見かける、タイガーマスク姿のあの人だ!」と思った方は、 たぶんフェイスブックや美容師ブログに詳しい方。そう、数年前からタイガーマスク姿でSNSを中心に、美容業界における様々な問題提起や改善策などを発信し続け、現在はセミナーやオンラインサロンでも活躍する「美容業界のタイガーマスク」こと「網野三之助(元・参吉)」さんです。これはもちろんリングネーム(?)で、その「正体」は、都内と米国でサロンを経営しつつ、オリジナルの商材を開発する一方、サロン経営のコンサルタントなども行うといった多角的な活動をしている美容師なのです。
今回、「経営とサイエンス3月号」の特集の撮影で、弊社のスタジオにいらっしゃったときの姿がこちら。
ちなみに、このマスク、完全オリジナルで制作してもらった特注品らしいです(あ、額にシザーが入っている!)。
ブログでも消費税問題、美容師の副業、原価率、薬剤、商材の製造と物流などなど、多岐に渡るテーマで切っ先鋭く持論を展開している網野さん。今回は、サロンの生産性を上げるための「時短化」について伺ってみました。
サロンの「主力メニュー」から時短化を考える、が鉄則!
――まず、美容室における「時短メニュー」として、最初に考えなければいけないことは何ですか?
網野 「時短」には二つの効果がありますよね? 一つは時間的余裕が生まれればメニューの追加ができるので「生産性が上がる」こと。もう一つは、同じ施術をするのでも人件費の削減となるので「コストカットになる」こと。ですから、美容室経営において「時短」は常に意識しておくべきことだと思います。で、時短は「どこから手を付ければいいのか?」ですが、それはもちろん「サロンで最も主力のメニュー」から、です。
――となると、現在はほとんどサロンがカットとヘアカラーだと思うのですが?
網野 そうだと思います。時間がかかるメニューというと縮毛矯正やパーマと思いがちですよね? 縮毛矯正率がとても高く、主力メニューというサロンであれば、そこの時短をまず考えるべきですが、そうでないサロンが縮毛矯正の時短を、一生懸命工夫しても売り上げにはあまり影響はしません。
いま全国のほとんどサロンがカット&カラーを主力メニューにしているはずなので、まずはそこから手をつけるほうが、結果を出しやすいと思います。その中でも「カラー」は一番効果が早く表れるはずです。
――まずはヘアカラーですか? でもカラーは、やはり放置時間に20~30分のタイムが必要ですよね? 塗布時間はトレーニング次第で短くなるような気がしますが…。
網野 僕は「時短化」を考えるとき、まずは「時間を設定してみる」というスタンスがとても重要だと思っているんですよ。サロンにとってこのくらいで施術できたら、非常に有益、という時間を算出して、その設定時間から、使用薬剤とプロセスを組み立てる。だから「カラー」のほうが時短化を考えやすいんです。
カットもトレーニングと組み立て方の整理でスピードアップはしますが、ある程度キャリアのある美容師なら、そこはもうすでに出来ているでしょう? だったら薬剤で操作できるカラーのほうが、時短化の可能性が高いと思います。剤は日々進化していますし。(その2に続く)