HSA協会(児玉利明会長)は1月27日午後7時から、都内港区の明治記念館で新年賀詞交歓会を開催した。交換会には同会の会員や来賓など約100名が参加した。昨年6月に前任の石井武夫氏から引き継いだ児玉新会長は「その後11月には就任パーティーもあり濃密な半年間だった」と振り返り、パーティー出席者に謝辞を述べた。児玉会長はこのあと今年東京で開催される世界的なスポーツの祭典の選手村でヘアサロンが運営される話題に触れ「前回大会(1964年)では叔父が選手村のサロンで多くの選手のヘアをカットした。一生に一度のチャンスなので私も選手村でのヘアカットにチャレンジしてみたい」とボランティア活動に意欲を見せた。
そして会の運営については「スタートは切ったがバタバタ続きの半年だった。この令和2年こそが本格的なスタートとなるので、新しいことにどんどん挑戦していく」と新体制での覚悟を示した。理容の今後の可能性については「チャンスはたくさんころがっている」としながらも、賃金や休日、社会保険など労働環境の整備が依然として大きな壁になっている事も指摘した。その上で具体的な目標について「壁をぶち破った成功店を会の中に出来るだけ多く誕生させ、他のメンバーも後に続くような空気を醸し出していきたい。全ての会員に『あの年に身を切るチャレンジをしたから今がある。HSAにいて本当に良かった』と思ってもらえるような会にすることだ」と抱負を語った。
児玉会長はこの他これからの研究団体の在り方についても言及し「昔は他団体との勝ち負けがパワーの源のような時代もあったが、これからは人材問題など共通課題に関してはしっかりと手を組んで力を合わせることも大事だ」と柔軟な対応の必要性を訴えた。
挨拶する児玉利明会長
児玉会長をはじめ10名の理事が登壇して紹介されたのに続いて来賓の三氏が代表して祝辞を述べた。きくや美粧堂の増保憲一会長は「今は理容業界にも美容業界にもいろんな意味で変わるエネルギーが蓄積されているのではないか。景気の良し悪しなど分からないが、皆さんの知恵と新しい切り口で次の100年を切り開いていって欲しい」、滝川の滝川裕史副社長は人材確保の問題に触れ「児玉新会長は業界の集まり等でよくこの問題を取り上げ『業の魅力を伝えるには小学生くらいから訴えることが大事』と公言している。我々流通業に携わる者も微力だが一緒になってこの問題に取り組んでいきたい」、タカラベルモント理美容事業部の岡戸信彦理容統括部長は「高い壁を乗り越えることに成功したサロンにはいわゆる“ブルーオーシャン”の世界が待ち受けており、敵がいない状態だ」と述べメンズビジネスの大きな可能性を示唆した。岡戸氏はこうした成功店のもう一つの特徴として「従業員満足」を挙げ「これが無い限り顧客満足も生まれない。経営者と従業員の思いが合致していることも非常に重要だ」と指摘した。
資生堂プロフェッショナルの狩野泰章理美容営業統括部長が「徳勝龍(大相撲)優勝のニュースをバネにHSAと共に頑張っていきましょう」と乾杯の発声を行い酒宴に入った。盛会となった賀詞交歓会は児玉充浩副会長による関東一本締めでお開きとなった。
児玉充浩副会長
(記者:小牧洋)