オープンイノベーション型の価値創造に向け始動
Industry-Up Day 2020 Spring/新産業共創スタジオ

SUNDRED株式会社(留目真伸CEO)と一般社団法人Japan Innovation Network(紺野 登代表理事)により共同運営されている「新産業共創スタジオ」主催のイベント「Industry-Up Day 2020 Spring」が、2月12日(水)、東京・千代田区にある東京ミッドタウン日比谷で開催された。

同イベントは、オープンイノベーション型の価値創造に携わるすべてのビジネスパーソンのためのプロジェクトローンチとネットワーキングを促進させるためのもの。

当日は、会場となったBASE Qホールに約500名の参加者が集い、①ビューティインテグレーション産業、②ハピネスキャピタル産業、③ユビキタスヘルスケア産業、④共感トラベル産業、⑤フィッシュファーム産業、⑥リジェネレーティブフードシステム産業の合計6つの産業における新産業共創の現状を確認し合った。

イベントは、3部構成。当日は、まず6つの産業ごとに分科会的な趣で、「ディスカッション」と題した現状についての意見交換からスタート。さらに社内起業家として活躍している5名の座談会である「イントラプレナーセッション」、イベント全体を総括する「ネクストアクション」の順でプログラムが進んだ。

ビューティインテグレーション産業のディスカッションでは、古木数馬氏(LiME株式会社代表取締役)、北村嘉崇氏(株式会社HuBeauuu代表取締役)、徳田充孝氏(株式会社ダイアナ代表取締役社長)、平澤伸浩氏(ロート製薬株式会社 事業戦略部長兼、株式会社アノマリー代表取締役)、金山宇伴氏(明治大学リバティアカデミー)、日高圭悟氏(中小企業庁 財務課統括補佐)の合計6名が登壇。

ステージでは、①「美容サービス産業が抱える課題」、②「ビューティインテグレーション産業のカタチ」、③「共創のために何が必要か?」の3テーマについて、それぞれの立場から議論を展開した。

ディスカッション①では、劣悪な労働環境、高い離職率、オーバーストア化の加速、クーポンサービスの台頭による過当競争など、ここ数年業界の課題になっている事柄が挙げられた。

さらに同②では、顧客の滞在時間の長さや、そこで得られる密度の濃い個人情報に関しては他産業の追従を許さないほどの精度の高さを持つサロンビジネスのメリットを強調し、その伸びしろの高さをアピールした。しかし一方では、「いいもの(可能性のある施策)があっても業界内で内製化してしまう」という業界ならではの体質を指摘する声も挙がった。

続く同③では、今後、ビューティインテグレーション産業では「(美容師の)圧倒的なカウンセリング力とマーケティング力を下敷きにした業態変化が必要」とし、そのためには、「ビジョンを掲げるだけでなく、様々な業界の人たちと対話をすること、(またプロジェクトを)始めたらやり切ること」が重要になってくると全体を締めくくった。