株式会社ミルボン(佐藤龍二社長)は、昨秋、一般消費者が美容室専売品をオンラインで購入できるB to B to C(※)サイトを立ち上げ、コーセー社と業務提携して開発した化粧品ブランド「IMPREA(インプレア)」を販売していたが、2020年6月1日より、サイト名を「milbon : iD」に改め、店販ブランドの主力である「Aujua」「milbon」「Villa Lodola」の販売をスタートする。
ミルボンの調べによると、1年以内に美容室のヘアケア商品を購入した人のうち60%はリピート購入をしない。リピートしない理由の30%が「美容室に買いに行くのが面倒」という買い場ストレスだという。
「milbon : iD」の消費者メリットとして、今後は来店タイミングとは関係なく、いつでも欲しい時に購入できるようになるため、リピートが増えると見込んでいる。
「milbon : iD」は、お客様が利用している美容室から購入するという仕組みで、お客様は、美容室から発行される専用のQRコードを使って必要情報を登録する。
サイト運営・受注・物流業務を全てミルボンが受託するため、美容室メリットとしては、負担なくEC販売に参入ができる。
販売価格は、各店舗が自由に設定可能。売上代金は、決済代行会社を通じて店舗へ入金される。美容室の売上に計上されるのはもちろん、売上を担当美容師へ紐づけできるという。
購入履歴は美容室が管理できるため、次回来店時には、美容師によるアフターフォローでリピートを促せる。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う美容室の休業やお客さまの外出自粛を受け、ミルボンは、店販商品を自宅へ配送する特例対応を行った。
4月22日の開始から約1カ月間で、ミルボンお問い合わせ窓口への相談件数がおよそ1000件にも及んだという。
この反響の高さは、不測の事態においてもオンラインストアが貢献できること、B to B to Cのニーズを確信することになった。
※B to B to C = Business to Business to Consumer
ミルボンの今後の展望としては、2023年に登録5000店舗、店販EC化率15%。EC売上としては18億円、エンドユーザーの購入金額に換算すると40~45億円の見込みだ。これは日本国内のみの数字で、海外での展開は今後検討していく。
同社は、信頼性・利便性の高いサロン店販商品の購入環境を整備することでリピート促進から店販購入客比率を上昇させ、美容室の生産性向上に寄与し市場の成長を目指す。