和装トータルなど6部門を有観客で 会員による技術展示のステージも 「使命感で開催」と荘司ブロック長
Zenkon Contest 2021東京大会開催/全日本婚礼美容家協会・東京ブロック

職業訓練法人 全日本婚礼美容家協会(田中雅子会長、マリールイズ恵子理事長)東京ブロック(荘司礼子ブロック長)主催の「Zenkon Contest 2021 東京大会」(後援=東京都職業能力開発協会)が7月13日、都内国分寺市の国際文化理容美容専門学校 国分寺校で開催された。前日に新型コロナウィルス対応の4度目となる緊急事態宣言が出された中での開催とあって、予防対策を徹底しながらの運営となった。

開会セレモニーで主催者を代表して挨拶した荘司礼子東京ブロック長は、厳しい状況下にもかかわらず駆けつけた観戦者に謝辞を述べた後「昨年、全婚では一切のイベントを行わず地道な勉強会を続けてきた。関連団体でもほとんど動きは無かったと思うが、田中会長の『今年は何としてもコンテストを行って欲しい』という声が伝わっていたので、東京ブロックがどうにかしなければと強く感じていた」と開催実現までの経緯について説明した。その上で「コンンテストは協賛してくれる関係商社や、何よりも出場選手、観客がいなければ成立しない。今日このように開催の運びとなったことに感謝しています」と開催実現を喜んだ。

いっぽう、昨年理事長に就任したマリールイズ恵子氏も「全国大会をはじめ全てのブロック大会も中止となった昨年に比べれば、コロナ禍とはいえこうして開催できることは大いなる喜び」とし出場選手を「挑戦する勇気とたゆまぬ努力、向上心で大会に臨んで欲しい」と励ました。

やや遅れて競技の合間に登壇した田中雅子会長は「今月91歳になる。やはり年には勝てず身体は大変だが口だけは達者。挨拶をとお声がけ頂いたので『これが最後か』と度胸を据えて駆けつけました。皆さん本当に長いことお世話になりました」とユーモアを交えながらいつもの“田中節”を披露し、会場から大きな拍手が沸き起こった。

この日行われた競技は第40回全日本振袖花嫁着付コンテスト、同和装トータルコンテスト、第19回ニューブライドコンテスト、第3回留袖着付コンテスト(一般部門)、それにブロック主催の第3回洋髪の打掛花嫁着付コンテスト、第30回留袖着付コンテスト(ジュニア部門)の計5競技、6部門。合わせて86名の美容師、美容学校生が出場した。留袖着付ジュニア部門には30名の学生が、また同一般部門には29名が出場してそれぞれの第一礼装に相応しい黒留袖の技術や品格、マナー等を競った。また、9名が出場したニューブライドコンテストでは、花嫁のヘアメイク、ドレスコーディネートの課題でヘア、メイク、ドレス、アクセサリーのトータル美に挑戦した。

和装トータル、全日本振袖花嫁着付、洋髪の打掛花嫁着付は同時に行われ、それぞれ「ヘアメイクを伴うミスの正装(和装トータル)」「初々しさが表現された振袖花嫁の基本(全日本)」「ヘアメイク、着付のトータルコーディネート(洋髪の打掛)」等の課題で技とマナーを競った。作品審査には赤石順子、竹村佐代子(ジュニア、一般の留袖着付)、横田勢津子、今田幸(振袖花嫁、和装トータル、ニューブライド、留袖(一般)、洋髪の打掛)の各氏が当たった。

全競技終了後は会員による技術展示が行われ、吉住さとみ氏が振袖着付、牧野美智代氏が「ブライド」、矢内弥生氏が「打掛花嫁」をテーマにそれぞれモデルを使ってデモンストレーションと技術内容の解説を行った。

午後4時過ぎから行われた表彰式で講評を述べた横田勢津子氏は「留袖はメイクも含め品と各に留意して。ニューブライド部門ではやはり何かしら新しさを取り入れたスタイルが求められる。花嫁および和装トータルでは技術的な差が見られた」とそれぞれ全国大会への課題を指摘した。この日のコンテストで一定の審査基準を満たした選手(東京ブロック主催の2部門は除く)には全国大会への出場権が与えられる。全国大会を二か月後に控え、東京ブロックでは2回の勉強会を予定しているという。各部門の最優秀賞(留袖着付ジュニアを除く同賞受賞者には特別賞の東京都職業能力開発協会会長賞も授与)および優秀賞は次の通り。

(全日本振袖花嫁)▼最優秀賞=設楽小夜子▼優秀賞=石井あすか

(和装トータル)▼最優秀賞=青木真佑子▼優秀賞=石川めぐみ

(ニューブライド)▼最優秀賞=辻澤茉子▼優秀賞=内田喜郎

(留袖着付・一般)▼最優秀賞=仲川泉▼優秀賞=小田島潮音

(留袖着付・ジュニア)▼最優秀賞=鈴木万美子▼優秀賞=樽井遥

(洋髪の打掛花嫁)▼最優秀賞=兎内春香▼優秀賞=忍足絢美

開会の辞を述べる荘司礼子東京ブロック長

挨拶するマリールイズ恵子理事長

開催を喜ぶ田中雅子会長

各競技とも最後にモデルのマスクを外し2分間のメイク直しが行われた(写真は留袖ジュニア部門)

ニューブライドコンテスト部門

洋髪の打掛花嫁の作品

全日本振袖花嫁(奥)と和装トータル(手前)の作品

会員による技術展示のステージ。左から牧野美智代(ブライド)、矢内弥生(打掛花嫁)、吉住さとみ(振袖着付)の各氏

表彰式で講評を述べる横田勢津子副ブロック長